マタニティー教室での出来事
こんにちは さくらです。
妊娠中はこれから赤ちゃんに会えることが楽しみで、わくわくする反面、どうやって赤ちゃんのお世話をすればいいのだろう?
友達の赤ちゃんを抱っこさせてもらったりはあるけど、おむつを変えたり、お風呂に入れたり、あやしたり…
何にもしたことねー!!
って方、結構多いのでは?
私も抱っこ以外はしたことなどありませんでした。
それはすごく不安なことで、未知なる世界ですよね。
※注意※ 妊娠中の方に役立つ話は一切ございません
マタニティー教室への参加
私の住んでいる地域では『マタニティー教室』というものがあり、育児についてのお話やお風呂の入れ方、妊娠中に気をつけることなど、保健師さんたちが色々教えてくるセミナーを受けることができるので、初めての育児だし分からないことだらけだったので
無料だしいいかー♪
という軽いのりで申し込んでみました。
全部で3回の講習を受けられるということで、仕事を辞めて暇な私は予定ができただけでうれしいことでした。
少し早めに会場についた私は挙動不審気味に目的の場所へ向かっていました。
マタニティー教室なので、たくさんの妊婦さんがいる訳なのですが、当然話しかけずに話しかけられないようにうつむきながら向かいました。
コミュニケーションなど私には無用です。こういうたくさんの人たちが集まる場所では、
いかに誰とも話さず、誰にも印象を残さずが肝心です。
そして、無事エレベーターに乗りこみました。
閉まりかけたそのとき、ヤンキーっぽい妊婦さんが入ってきました。(こういう感じの人とは仲良くなれないな)と密かに心の中で思ってしまいました。
そして無事に会場につき、受付を始めようと思ったそのとき、何か嫌な空気を感じました。
コミュ害の勘でしょうか?
やたらと騒がしい。こういう場所は大抵みんなひとりで来ているのでシーンと静まりかえっているはずなのですが・・・。
「今回のセミナーは6人のグループごとに受けていただきます。さくらさんはくまさんグループの席でお待ちください。」
耳を疑った。そしてすぐに帰ろうと思った。4人まではギリいけるが6人はダメだ。多すぎる。
どうにかお腹が痛いとか急用が入ったとか言えば帰れるはずだ。
しかし私にはその勇気すらなかった。黙って席に向かうことしかできなかった。
私のグループはちょっと気の強そうなAさん、特に特徴のない私の中では話しやすそうなBさんがすでに席についていた。
(とりあえずあいさつだ!!)と思い、か細い声で
「こんにちは。よろしくおねがいします。」
これくらいは社会人としては当然だ。難なくクリア。
と思ったそのとき・・・
「こんにちわ!」
と大きな声が後ろから聞こえてきたので振り返ると、さっきのヤンキーだ。元ヤンキーCさんだ。
硬直する体。何かの間違いであってほしかった。
決して交わることのない二人が出会ってしまった。ヤンキーVSコミュ害。
こうして運命の歯車は狂いだしたのだ。
続いて、ぽっちゃりのDさん、そしてマイペースのEさんが時間ギリギリにやってきた。
「まず最初にグループで一人ずつ自己紹介をしてください。」
いきなりいらないやつがきた。無駄に緊張するし面白いこといった方がいいのかなとかプレッシャーだし苦手なのだ。
そして私の緊張はピークに達したのだった。
「出産のイメージをグループごとに話し合って発表してください。」
もう帰りたい。知らない人の前で自分の意見言うなんて無理。
そしてじゃんけんで発表者を決めるらしい。
絶対当たりたくない。当たったら終わりだ。
妊婦にこんなにストレス与えるな。
元ヤンCさん
そして、このときは元ヤンCさんが発表者になった。
ここで驚いた。Cさんは巧妙な話術でグループをまとめだしたのだ。以外に物腰の柔らかな話し方。一気にみんなの緊張感がほどけていくようだった。
元ヤンというのはきっと私の勘違いだ。ロックやパンクが好きでちょっと見た目がやんちゃなだけなのかもしれないと思えてきた。
私は一気にCさんへの恐怖心は消え、尊敬の眼差しに変わったのだった。
ここで他のメンバーを紹介しましょう。
気の強そうなAさん
自分の思ったことをしっかり伝えられるタイプ。鋭い質問なども積極的にできるタイプだ。苦手だが・・・
普通のBさん、ぽっちゃりDさん
本当にいい人そうだ。笑顔のタイミングもばっちり。意見もそこそこ言えて、誰からも嫌われず、私が理想とする性格のタイプだ。
この人たちが私の人生の目標だ。
マイペースのEさん
この人が衝撃的だった。グループで話し合うときはしっかり意見も言えて、そのうえ面白い話もできる。
だがしかし群れないのだ。女性というのは少し仲良くなると大抵群れる性質がある。
マタニティーヨガの時間があったのだが、特にグループごとで行うのではなかったのだが、他の人たちは何となくグループで行動していた。
だがしかしマイペースEさんは全く群れない。
どこに行っていたのか、また最後の方にひょっこり現れ一人で行っていたのだ。
これはわたしが尊敬に値する、
群れずに嫌われず、むしろ好感度の高いタイプなのだ。
一度でいいからこんな堂々と生きてみたいものだ
私のポリシー
私はかつて授業で自ら手を上げたことなど一度もない。
これはわたしのポリシーなのだ。意見を言うことも、誰かに指されないかぎりは一度もないのだ。
それは緊張して頭が真っ白になるからだ。失敗を怖れてできないだけなのだ。
やっとその時代を乗り越えたはずなのに、なぜ今さら頑張らなければいけないのだ。
そして大人の世界では空気を読んで、一人一回は意見を言わないといけないのだ。
なぜ6人グループが嫌なのか
それは人が多すぎて、どのタイミングで自分がしゃべっていいのかがわからないからだ。
盛り上がれば盛り上がるほど分からなくなる。
LINEの『グループLINE』も4人以上になると打ち込むタイミングを見失う。テンポ良く話せるコミュ力の高い人間はどのように人と被らないように話をしているのだろうか?4人までならタイミングを読めるのだが、それ以上になるといつ、誰がしゃべるかわからなくなり、せっかく盛り上がっている空気を自分のせいで盛り下げてしまうのではないかと遠慮してしまうのだ。
何か意見を言わなければ・・・。飛び出しそうな心臓。
そして勇気を出して
「・・・です」
「えっ?」
「・・・です」
「えっ?」
しまった・・・。声が小さくてみんなに聞こえないのだ。
これは一番やってはならないのだ。
無駄に何度も同じことを言わなければならなくなり、かえって時間と労力と恥をかいてしまう。
最悪の状況になった。
試練を乗り越える決意
1日目を何とか終え、家に帰ってマタニティー教室のチラシをもう一度見返してみた。
上の方に『友達づくりをしながら楽しく学びたい方』と書いてあった。
絶句。
どおりで周りを見渡し『コミュ害レーダー』(コミュ害の私は同じ仲間を見つける能力が異常に鋭いのだ)を発動させたのだが一切引っかからなかったわけだ。
でもたった3回我慢すればいいのだ。
私は大人になったと思った。昔ならもう2度といかなかっただろう。バックレていたはずだ。
これは私が母になるための試練!!きっとそうに違いない。
母として強く生きるため、残りの2回も難なくこなしてみせよう。
そして時はきた。
今までは運の良いことに、運が良すぎるほどに避けられていた発表係。
ついに最終日の最後に当たってしまった。じゃんけんに負けてしまったのだ。
発表がこの世で一番苦手な私が発表者。
もう何も考えられなかった。発表のとき頭が真っ白にならないように深呼吸することに必死で、話し合いの内容などもうどうでもよかった。
心拍数上昇。血圧上昇。
一気に妊娠高血圧症になりかねないほどの緊張感
手は震え、声も震えクラクラするほどの緊張。
このとき妊娠中で一番のストレスがお腹の子を襲っただろう。
しかしもうこの人達と会うこともきっとない。どうにでもなれと。
そして終わった。やりきった。我ながら堂々としていたと思う。
こうして私はまた少し成長したのだ。
帰りは誰よりも足早に会場を後にしたのであった。